自然と調和した宮殿

昌徳宮後苑

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration

昌徳宮(チャンドックン)は、1997年に朝鮮王宮の中で唯一ユネスコ世界遺産に登録され、本来の自然地形を保つために従来の宮廷建築様式を創意的に変えることによって、建築と造園を調和させた美しい宮殿として知られています。後苑(フウォン)は、水路がある場所をそのまま生かしたり、丘があれば囲んで道を作るなど、韓国の伝統的な造園文化の特徴がよく表れている代表的な庭園です。

昌徳宮から後苑へ行く道は、周りの緑豊かな木々によってできた濃い日陰と上り坂に隠れて前方の景色が見えないため、坂の向こうにはどんな空間が待っているのかと期待が高まります。そして、上り坂に沿って左側の下り坂に視線を移すと、光で満ち溢れた開けた空間が出てきて、建築と造園が一体化した美しい後苑が現れます。

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration
©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration

昌徳宮から後苑へ行く道は、周りの緑豊かな木々によってできた濃い日陰と上り坂に隠れて前方の景色が見えないため、坂の向こうにはどんな空間が待っているのかと期待が高まります。そして、上り坂に沿って左側の下り坂に視線を移すと、光で満ち溢れた開けた空間が出てきて、建築と造園が一体化した美しい後苑が現れます。

©Photo(Ki joo Park)-KTO

芙蓉池は昌徳宮後苑を代表する池で、「天は丸く、地は方形」という天円地方の思想を取り入れ、方形の池と丸い島で造られています。池は長方形の切石を積み上げ、南の角には一匹の鯉が水面から飛び跳ねる姿のオブジェがありますが、これは王様と臣下の関係を水と魚に例えたものです。
芙蓉亭は、芙蓉池の南側に建てたマル(板の間)式の東屋で、建物の北側が池の中まで突き出ていて、まるで両足を水につけて池の縁に座っている姿をしています。池の方に突き出た部分の屋根は、軒を支える栱包1を二翼工様式(鳥の翼のような部材を2つ使う様式)でくみ上げ、建物全体の比率に合わせて調整された大きさのため、小さいながらもしっかりとしたイメ ージです。全体的に、宮廷建築の装飾が建物の大きさに合わせて施されています。

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration

芙蓉池の北側にある宙合楼は2階建ての王室図書館で、「宙合」とは「宇宙と合一」するという意味を持っています。傾斜面に沿って花階2と翠屏3で段を造り、その上に建てられたため自然と上手く調和し、なかでも2階の閲覧室では下の方に見える芙蓉池と芙蓉亭の景観とともに、周りを取り囲んでいる樹齢の長い美しい木の森も鑑賞できます。

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration
TIP
昌徳宮では、毎年春と秋に韓国伝統の趣と夜景の美しさを堪能する昌徳宮月光紀行(www.chf.or.kr)が開催されます。
周辺観光地
昌慶宮、宗廟、北村韓屋村、仁寺洞
住所
ソウル特別市鐘路区ユルゴクロ99
方法
地下鉄1・3・5号線チョンノサムガ駅7番出口から徒歩10分/地下鉄3号線アングク駅3番出口から徒歩5分
電話
02-3668-2300
入場
3,000ウォン
ウェブサイト
www.cdg.go.kr
時間
2月~5月・9月~10月09:00~18:00、6月~8月09:00~18:30、11月~1月09:00~17:30/月曜休館
宮殿観覧
プログラム

日本語(11:00)
後苑観覧
プログラム

日本語(13:30)
荘重な品格が感じられる朝鮮王朝の正宮

景福宮

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration

景福宮(キョンボックン)は1392年の建国以来、500年以上続いた朝鮮王朝で初めて建てられた宮殿です。北側の北岳山を背景に南側には交泰殿(王妃の寝殿)、康寧殿(国王の寝殿)、思政殿(国王の業務棟)、勤政殿(宮殿の中心になる建物)、勤政門(勤政殿の正門)、興礼門(宮殿の中門)、光化門(宮殿の正門)を一直線の軸に沿 って配置した、朝鮮時代の宮殿の中で最も荘重な品格が感じられる建物です。朝鮮初代王の太祖は、将来この国に大きな福が訪れることを願い、「大きな福を授かる宮殿」という意味の「景福宮」と名付けました。

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration
©Photo(Ji Ho Kim)-KTO

景福宮の中心になる「勤政殿」は、韓国に現存する最大の木造建築物です。王の即位式など国にとって重要な儀式が行われた勤政殿は、3段の石積みの上にのせられた2階建ての堂々たる木造建築物と大きく翼を広げたような優雅な瓦屋根が、景福宮の背景にある北岳山や仁王山と調和して荘厳な雰囲気を醸し出します。さらに、3段石積み周辺の石製手すりの支柱を飾る動物像は、荘厳な雰囲気の勤政殿にあたたかみを与えてくれます。勤政殿の前庭には、石大工が手入れした薄石が全体的に敷かれて太陽光を乱反射させて眩しさを防ぎ、雨の日は降り注いだ雨水を自然に土の中に染み込ませる機能を果たし、この空間に古風な趣を持たせてくれます。

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration

勤政殿の西側にある「慶会楼」は、景福宮建築の花と言われます。四角池の中に石積みを設け、計48本の重みがある石柱の上に木構造で作り上げたヌマル(高床の縁側)をのせたもので、1200人の収容人数を誇る韓国最大の楼閣として知られています。雄壮なヌマルと、これを覆っている屋根が穏やかな池の水面に映る姿は、韓国の伝統建築が演出する最も美しい景色の一つとして有名です。

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration
TIP
韓服を着て景服宮に行くと、無料で入場できます。伝統・生活韓服どちらでもOKで、景福宮近くには韓服レンタルショップがたくさんあります。
周辺観光地
西村、通仁市場、青瓦台サランチェ、国立民俗博物館
住所
ソウル特別市鐘路区サジクロ161
方法
地下鉄3号線キョンボックン駅4番出口から徒歩5分
電話
02-3700-3900
入場
3,000ウォン(韓服着用者は無料、TIP参照)
ウェブサイト
www.royalpalace.go.kr
時間
11月~2月09:00~17:00、3月~5月09:00~18:00、6月~8月09:00~18:30、9月~10月09:00~18:00/火曜休館
朝鮮王朝のルーツ・シンボルとなる空間

宗廟

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration

朝鮮王朝(1392~1910)は、太祖から純宗に至るまで27代にわたり519年間続いた王朝で、宗廟(チョンミョ)とは歴代王とその王妃、そして追尊王とその王妃の神主(位牌)を奉安した祠堂のことです。ここでは、王が国と国民の安寧を祈るために文武百官と定期的に祭祀を行う祭礼儀式が挙行されました。宗廟の中心になる建築物「正殿」は、正面の立面の幅が101mと単一の木造建築物として世界最長で、海外建築家の間では東洋のパルテノン神殿と呼ばれ、韓国建築旅行リストでは一番に挙げられるほどです。スペインのビルバオ・グッゲンハイム美術館を設計したフランク・ゲーリーは、宗廟に関するインタビューで「こんなに静かで荘厳な空間は世界のどこにもない」と、宗廟を訪れた時の感動をこう表現しました。

©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration
©Ministry of Culture, Sports and Tourism, Cultural Heritage Administration

横に100m以上続く屋根と列柱が作り出す正殿の正面は、シンプルで控えめながらも壮大な規模のため、訪れる人々は厳かな雰囲気に浸ります。特に、正殿の屋根の線は、朝鮮時代の他の宮殿建築に見られる屋根の美しい曲線ではなく、まっすぐな直線が急な傾斜を描きながら下まで落ちており、その姿だけでも壮厳さが感じられ、正殿の正面に深くて濃い影を落とすことでさらにインパクトを与えます。巨大な規模の屋根を支えるため、どこまでも続く列柱とそれによって作られた長い月廊(正堂の前や左右に建てられた召使の部屋)も、この建築物に厳かさを与えています。屋根の形と同様、列柱にも朝鮮時代の他の宮廷建築とは異なり、何の飾りもなく丹青も施していないのは、人間ではなく魂のための神聖なる建築であることを表すためでした。

©Photo(IR Studio)-KTO

宗廟を訪れる人々はまず正殿に目を奪われますが、建築空間として中心になるのは正殿の前に広がる月台です。月台は正殿の前庭のことで、地面から1mの高さで石を積み上げて造 った横109mX縦69mの広い「空」の空間です。この空間で宗廟祭礼4が挙行され、正殿に奉った魂をここに呼び出して死者と生者が出会う、宗廟建築の中心といえます。

©Photo(Ji Ho Kim)-KTO
TIP
毎年5月の第1日曜日に開催される宗廟大祭では、宗廟祭礼と祭礼楽が観覧できます。
周辺観光地
仁寺洞、広蔵市場
住所
ソウル特別市鐘路区チョンロ157
方法
地下鉄1・3・5号線チョンノサムガ駅11番出口から徒歩5分
電話
02-765-0195
入場
1,000ウォン
ウェブサイト
jm.cha.go.kr
時間
2月~5月・9月~10月09:00~18:00、6月~8月09:00~18:30、11月~1月09:00~17:30
Writer by yun sin-yong | Photo by Cultural Heritage Administration, KTO
Client KTO | Production D.gram(Korean Architecture Tour) ⓒdgram.co.kr All Rights Reserved.
게시물에 사용한 사진의 저작권은 촬영자가 보유하고 있으며, 무단 사용은 금지되어 있습니다.
The copyright of the photo used in the posting is held by the photographer, and it is prohibited to use it without permission.

0개의 댓글

댓글을 남겨주세요