見ているだけで楽しくなる建築

トライボウル

柳杰 | 大韓民国

トライボウルは、2010年に韓国第2の港湾都市・仁川で開催された仁川世界都市祝典のために建てられた記念館です。トライボウル(Tri-bowl)という名前は、3つを意味するトリプル(triple)と、器を意味するボウル(bowl)の造語で、名前の通り底面が非常に狭く上面はとても広い3つのボウルがなだらかな曲面で繋がっているように見えます。逆さまに見ると、3つの丘がなだらかな谷間で繋がっているような形になります。

設計を担当した建築家の柳杰(ユ・ゴル)は依頼を受けた際、丘と谷間が続いてなだらかな曲線が多い韓国の地形をひっくり返して建物に取り入れるという逆転の発想から、このような外観の建物を設計したと言います。建物は柱が全くない構造のため、地面に接する3ヶ所の狭い底面で建物上部の重量を支えなくてはならず、このような構造的な問題を解決するために世界初の「易Shell」工法を開発し、設計を実現させた最初の建築物です。

完成した建物は、全面がなだらかな3次元の曲面で滑らかに繋がり、それを目で追いながら建物の周りを歩いていると、いつの間にか建物全体を一周できます。建物の下部は灰白色のコンクリート、上部は濃いシルバーグレーのアルミパネルで覆われ、金属材料で仕上げられた雄大な姿が、まるでアメリカの人気テレビドラマ『宇宙大作戦』に登場する宇宙船「エンタープライズ号」を連想させます。建物の下には四角い形の反射池があり、昼間は建物の雄大なシルエットが映ってその存在感を増し、夕方になると金属パネルの間から放たれる照明光とともに水面に映る景観が神秘さを高めます。建物の内部空間も、外観の曲面に沿って作られています。等高線を連想させる緩やかな傾斜の螺旋状の廊下を通って空間を横切る曲線のブリッジを渡ると、曲線の美しさを存分に楽しめます。

反射池の上に設置された橋を渡りトライボウルに入ると、内部にはどんな柱も見当たらず、外観と同様に内壁全体が曲面になったミステリアスな空間が現れます。建物の外観は、滑らかな金属材料とコンクリートで仕上げてハイテクなイメージだったのに対し、内部は曲面全体を木材で仕上げてあたたかさとエレガントなイメージを与えています。内部空間を歩きながら、等高線を連想させる緩やかな傾斜の螺旋状の廊下とその空間を横切る曲線のブリッジから、自由な曲線が作る美しさが存分に楽しめます。

TIP
仁川シティツアーバス(www.travelicn.or.kr)「ハ ーバーライン」を利用すると、チャイナタウンやGタワー、松島セントラルパークなど仁川の観光スポットが一度に観光できます。
周辺観光地
松島セントラルパーク、仁川大橋展望台、アートセンター仁川
住所
仁川広域市延寿区仁川タワー大路250
方法
地下鉄1号線セントラルパーク駅3番出口から徒歩10分
電話
032-832-7994~6
入場
プログラムによって異なります。
ウェブサイト
www.tribowl.kr
時間
13:00~17:30/月曜休館
華やかさをまとった文化芸術の庭

プラットフォーム-L

李侹勲 | 大韓民国

©Platform-L

プラットフォーム-Lは、ファッション企業ルイキャトルズが運営する複合文化施設で、クリエイティブな芸術家を発掘し、様々な文化コンテンツを共有できる文化プラットフォームを目指して設立されました。ルイキャトルズは、新しく立ち上げる文化プラットフォームの目標に相応しい建築設計のため、パソコンを利用した実験的かつ進歩的な建築築設計で注目されている次世代建築家の李侹勲(イ・ジョンフン)に建築を依頼しました。

©Platform-L

建築家は、韓国企業に買収されたファッション企業のルイキャトルズがもともとはフランスのヴェルサイユで生まれたブランドで、ルイキャトルズ(ルイ14世)という名前もそこから由来したということに注目しました。そして、ルイ14世(1638~1715)時代のヴェルサイユ宮殿に代表される華やかなバロック建築様式からモチーフを得て、プラットフォーム-Lを設計しました。

©Platform-L

建物をぐるぐる巻きにしたかのように、カラフルなアルミニウム・バーが絡み合う立面です。昼間はアルミニウム特有の高級感ある光沢とともに、縞模様の間に隠れたガラスから照り返す光でほのかに光り、夜になるとアルミニウム・バ ーの間に隠れた照明が建物の立面を華やかに演出します。さらに、2~3重の組み紐は立面そのものに深みと空間を生み出し、建物全体に高級感を与えます。

最もキーポイントとなるのは、建築家が「リンクヤード」と名付けた中庭で、建物の中心に大きな中庭を作り、ここに韓国伝統のマダン(広場)のような役割を果たす機能を持たせました。建築家の意図通り、リンクヤードはカフェの外部空間でもあり、ショップ関連イベントスペース、また美術館やホール関連のオープンスペースとして活用され、時にはリンクヤードそのものが文化芸術の公演会場としての機能を果たすこともあります。特に、周りが暗くなると、リンクヤードを囲んだアルミパンチングパネルから輝く照明が幻想的な空間を演出します。

©Platform-L
©Platform-L
TIP
プラットフォーム-Lコンテンポラリーアートセンタ ーの中心にある中庭では、ジャズ公演、読書会、映画やアートフィルム上映などのイベントが開かれます。日程はホームページで確認できます。
周辺観光地
カロスギル、清潭洞ブランド通り、狎鴎亭ロデオ通り、ソウル宣陵と靖陵(世界遺産)
住所
ソウル特別市江南区オンジュロ133ギル11
方法
地下鉄7号線ハクトン駅10番出口から徒歩5分
電話
02-6929-4470
入場
8,000ウォン
ウェブサイト
platform-l.org
時間
11:00~20:00/月曜日、1月1日、ソルラル・秋夕連休、クリスマス休館
Writer by yun sin-yong | Photo by Platform-L
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